マルコ福音書13章28~37
「旅に出る人が、僕たちに仕事を割り当てて責任を持たせ、門番には目を覚ましているようにと、言いつけておくようなものだ。」(13:34)
これは、比喩的表現です。
それぞれに仕事を割り当て、その仕事をやりとげるための権威と力を授けた。
僕(しもべ)は、委ねられた仕事を果たすことが期待されます。
一人ひとりに大切な命が与えられ、大切な役割が委ねられている。
それを果たしていく力も授けられている。
だから、その力を存分に発揮して、たゆまず、努力しなさい。
すべてを主に委ねて、あなたの役割を果たしなさい。
その中で、神の御心が見えてくる。
「目を覚ましていなさい」が3回繰り返されています。
33節は、眠気に打ち勝って目を覚ましているという言葉です。
34節と35節は、油断しないで目を覚ましているという言葉です。
眠気に負けないで役割を果たす。
油断しないで、注意を払って使命に取り組む。
それが、仕事を割り当てられた僕の主人に応える働き方であり、門番が果たすべき役割なのです。
「終わりの日」は、すべてが終わってしまう滅びの日ではありません。
讃美歌236は、「夜明けは近い」と繰り返し歌います。
夜明けは近い、希望の太陽が昇る、再び主が来られる、
救いの日が来ると待ち望みつつ、「夜明けは近い」と歌うのです。
悪がはびこる世界は終わる。本当の平和が実現する。
だから、くじけずに、与えられた役割を今日果たしなさい。
「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」(13:31)
「滅びる」は、文語訳では「過ぎゆく」と訳されていました。
「天地は過ぎゆく。しかし、わたしの言葉は堅く立つ。」
律法がすべてと考えられていた時代のただなかで、
わたしの言葉だけがあなたがたに命を与える、と宣言されているのです。
弟子たちは、主イエスの言葉によって生かされている喜びを生きたのです。
福音を伝え聞いた人たちも、主イエスの言葉に生かされていることを喜んだのです。
暮らしは、決して豊かではなかったでしょう。
でも、わたしは神から大切にされている。
そして、信仰の友がいる。
その喜びにあふれ、疲れ果てることがなかったのです。
「わたしの言葉は決して滅びない。」
わたしの言葉に信頼しなさい。
必ず、あなたを生かすという約束です。
この主イエスの言葉に信頼して、歩みたいと思います。
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