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「目を上げて、見渡しなさい」

創世記13章5~18

信仰の父と言われるアブラハムは、飢饉のためにエジプトに避難した時、自分の身を守ろうとして、妻を妹と偽ります。
臆病で、愚かな行為です。
彼はその過ちを深く恥じて、将来を神にゆだねようとします。

甥のロトと別れることになったとき、豊かな土地を譲ります。
欲に走る愚かさを、骨身にしみて知ったからです。



ロトは良い土地を選ぼうとして、「目を上げて眺め」(13:10)ます。

この言葉は、3章にも出て来ます。
「女が見ると、その木はいかにもおいしそうで、目を引き付け、賢くなるように唆していた。女は実を取って食べ、一緒にいた男にも渡した」(3:6)
女が「見ると」と、ロトが「目を上げて眺めると」とは、同じ言葉です。
これは人間が見た目で選ぼうとすると、そこに罪が忍び寄ることを示しています。

主がアブラハムに言われます。
「目を上げて、・・・見渡しなさい。」(13:14)

アブラハムは、うつむいていたのです。
ロトに良い方を選びなさいと言ったために、自分には荒れ地しか残っていない。
がっかりして、うなだれているアブラハムに、
「顔を上げなさい」と、主が言われたのです。

ここで、神の約束が語られます。
「見えるかぎりの土地をすべて、・・・あなたの子孫に与える。・・・大地の砂粒が数えきれないように、あなたの子孫も数えきれないであろう。」(13:15~16)
この「砂粒」という言葉は、2章にも出て来ています。
「主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。人はこうして生きる者となった。」(2:7)
この「塵」と「砂粒」は、同じ言葉です。
何の価値もない、塵に過ぎない者に命の息を吹き込んで、祝福された民に変えるという約束です。


なにゆえアブラハムが選ばれたのか。
アブラハムが立派だったからではありません。
アブラハムは、エジプトで妻を妹と偽ったように、愚かな小細工をする、情けない人間だったのです。
しかし、そんな弱く、貧弱な者を、神は選ばれるのです。



アブラハムが、エジプトから約束の地に戻ったように、わたしたちも恥ずかしい失敗から約束の場所に戻っていく歩みへと招かれています。
がっかりして落胆しているとき、
「目を上げて見渡しなさい」、
あなたの前にわたしの約束が広がっていると、主が呼びかけてくださるのです。
(2016年11月27日)


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