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わたしが示す地に行きなさい

創世記12章1~5

「あなたは生まれ故郷/父の家を離れて/わたしが示す地に行きなさい。」(12:1)

古代において、旅は危険と隣り合わせでした。
しかも、遠い別の国へ行くのです。大変危険な旅です。



テラは息子アブラムを連れて、「カルデアのウルを出発し」た。(11:31)と書かれています。
カルデアのウルは、メソポタミア文明の中心地で現在のイラクです。
アブラハムがウルを出発してハランに向い、ハランからカナンに向かう旅は、都市から荒野への旅です。

罪に満ちた都市を出て、荒れ野で神に出会うという考え方は、旧約聖書に流れている思想の一つです。
都市文明には、富を蓄積し、優雅で文化的な暮らしを楽しむという面があります。
豊かで贅沢な暮らしを望む時、罪が入り込む。
人から奪いとり、踏みつけにする。
都市には、そういう悪が潜んでいることを感じとっていたのです。



「祝福の源となるように。地上の氏族はすべて/あなたによって祝福に入る。」(12:2~3)
「あなたを祝福する」で終わらず、「あなたによって、すべての民が祝福に入る」というのです。

わたしたちはそれを忘れています。
祝福が豊かに与えられているのは、他の人と共に生きるためです。

富に頼り、自分一人良ければいいという生き方を断ち切り、新しい生き方へ出発しなさいと呼びかけられているのです。




「生まれ故郷、父の家を離れなさい」は、今の幸せにしがみつく生き方を断ち切れとの呼びかけです。
財産や名誉によって自分は幸せだと思っている、そういうものを断ち切って神の前に立ち、豊かに受けた祝福を分かちあう生き方へ踏み出しなさいという呼びかけです。


そもそも、「祝福する」とは、たくさんの子を与えられるという意味の言葉です。
ところが、アブラハムとサライには、子どもがなかったのです。
そんなアブラハムに、
「あなたの子孫は、空の星のように、大地の砂粒のように、おびただしい数になる」
という約束が与えられます。



人間は、罪を重ねたために、神の祝福を受け継ぐことができなくなった。
この世界を不毛の地にしてしまった。
たとえ実りがあっても、争いのもとになるだけ。
そんな人間が、豊かな実りを分かち合い、祝福を分かち合う、新しい命へと変えられる。
そのために、「父の家を離れて、わたしが示す地に行きなさい。」(12:1)と呼びかけられるのです。
(2016年11月6日)




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