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バベルの塔

創世記11章1~9

「バベルの塔」と聞くと高い塔を想像しがちですが、古代バビロニアのジックラトを指しています。
ピラミッドに匹敵する巨大な構築物で、頂上には神殿が置かれていました。



「天まで届く塔のある町を建て、有名になろう」(11:4)
「わたしたちのために、塔を建てよう」
「わたしたちのために、名をなそう」
と繰り返され、人間の自己中心的な姿が露わにされます。

巨大な神殿を造るのは、神を崇めてのものではなく、自分たちの力を見せつけるためなのです。

「互いの言葉が聞き分けられぬように」(11:7)

「聞き分ける」とは、「異なる言語を理解する」ことです。
人々は言葉を失った訳ではありません。

しかし、互いの言葉を理解できないのです。
これは、能力の問題ではなくて、他の人の言い分を聞こうとしない態度から来ています。
神などいなくても自分たちの力でやっていけるという思い上がりは、他の人を無視して踏みにじる行動に行き着きます。

世界の人口のおよそ7人に1人、8億5000万人が飢餓に苦しんでいます。
その一方で、世界中で莫大な軍事費が使われています。
核兵器が世界中に1万8000発あります。
核兵器を使ったら大変なことになります。

使えないにもかかわらず、なぜ核武装するのでしょうか。
日本の防衛予算は5兆円にのぼります。
世界中の国が軍事費を1割でも2割でも削って、食糧や医療や教育に使うことができたら、人々はもっと平和で豊かな暮らしができるはずです。
しかし、「敵」に対して弱腰を見せまいとする政治家と、軍需産業で儲けようとする人がいるために、軍事費は増え続けています。

違う考え方に耳を傾けないで、これしかない、仕方がないと言い張る。
そして、自分たちの国はどこよりも強いのだと見せつけようとする。
軍需産業と政治の結びつきは、現代のバベルの塔と呼ぶことができるかもしれません。


敵を作って、相手の言い分に耳を傾けようとしない。
これが、わたしたちの現実です。



どうしたら、互いの言葉を聞き分けることができるのでしょうか。
神は「悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださる」(マタイ5:45)
自分だけが正しくて、自分だけが神から恵みをいただいていると思い上がるのではなく、すべての人の背後に神がおられる、神は一人も滅びることを望んでおられない、そのことを示される時、対立する相手と理解し合おう、赦し合おうというところに導かれます。

わたしたちの限界から、解放されるのです。
(2016年6月19日)


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