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主の平和を告げる

マタイ福音書10章1~15


「イスラエルの家の失われた羊のところへ行きなさい。」(10: 6)

「イスラエルの民」=「失われた羊」ではありません。
病気を患い、死んだような状態で希望を失っている人、
重い皮膚病の人、
罪人というレッテルを貼られている人、
社会から排除され人間扱いされていない人に、
神の祝福を伝えなさい、と言われたのです。



「その家に入ったら、『平和があるように』と挨拶しなさい。」(10:12)

聖書の語る「平和」シャロームは、心の安らぎではありません。
神との関係が満たされ、欠けるものがない状態です。

復活の主が、部屋に閉じこもって震えている弟子たちに現れて、
「あなたがたに平和があるように」(ヨハネ20:19、21、26)
と言ってくださった。

神に従っていく時、きびしい立場に立たされ、立ち往生することがあります。
そんな時に、シャロームが与えられて、神に従っていくことができる。
神が共にいてくださるから、何も恐れることはないという、祝福の言葉です。

弟子たちが遣わされる場面に、
「徴税人のマタイ」(10:3)
「熱心党のシモン」(10:4)
という言葉があります。

「熱心党」は、イスラエルを昔のように栄光に満ちた国にしたいと願う、国粋主義者たちです。
彼らから見ると、徴税人はローマの手先となった裏切り者です。
そんな二人が主イエスの弟子として並んでいるのは、不思議な光景だったことでしょう。

さらに「イエスを裏切ったイスカリオテのユダ」(10:4)の名前があります。
主イエスは、「徴税人」、「熱心党」、「裏切り者」といった危ない人たちを招いて、
「天の国は近づいた」(10:7)と宣べ伝える者とされたのです。

「近づいた」は完了形で、「神の国は、すでに始まっている」という言葉です。
このことをイザヤ書は「あなたの神は王となられた」、と表現します。


「いかに美しいことか/山々を行き巡り、良い知らせを伝える者の足は。
彼は平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え/救いを告げ/あなたの神は王となられた、と/シオンに向かって呼ばわる。」(イザヤ書52:7)



この「平和を告げ、恵みの良い知らせを伝え/救いを告げ」は、
同じ事を違う言葉で言い換えて繰り返す、ヘブライ語特有の強調表現です。

「平和があるように」(シャローム)と神の祝福を告げることは、
「恵みの良い知らせ」(福音)を伝えること、「救い」を告げることと重なっているのです。



エリートではなくて、ローマの犬と蔑まれた「徴税人」、
愛国心に燃えてぶっそうなことをやらかす「熱心党」、
主イエスを「引き渡す」ことになるイスカリオテのユダ、

そして、どこまでもついて行きますと言いながら、逃げ出してしまうシモン・ペトロが、
使徒として用いられたのです。
(2018年11月25日)





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