忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

異邦人のガリラヤへ

マタイ福音書4章1~17

「ゼブルンとナフタリの地」(4:15)は、ガリラヤ地方の古い呼び名です。

この土地は、悲惨な歴史を背負っています。
国が滅びて多くの住民が連れ去られ、取り上げられた土地にアッシリアの人たちが植民してきました。
混血化が進み、伝統も文化も、民族としての誇りも、すべて粉々に粉砕されてしまいました。
だから、「闇の中を歩む民・・・死の陰の地に住む者」(イザヤ書9:1)と言われたのです。



「湖畔の町カファルナウムに来て住まわれた。」(4:13)
ここには、「エルサレムではなく」、という言葉が隠されています。
カファルナウムはガリラヤ湖の北の方の町で、ローマ軍が駐屯し、収税所が置かれていました。
ローマの兵士たちが我が物顔でのさばり、ローマのために税を取り立てる徴税人がいる。
そんな汚れた罪の町カファルナウムで、主イエスが活動を始められた。
こうして、イザヤの預言が成就した。
踏みにじられた罪の町に神の憐れみが注がれ、救いの出来事が始まる、こうマタイ福音書は語るのです。

「『悔い改めよ。天の国は近づいた』と言って、宣べ伝え始められた。」(4:17)
「天の国」は、「神の国」の言い換えです。
「神の国」とは、「神の支配」です。
わたしたちをすっかり変える救いの業、死んだようになっているわたしたちを生かそうとする神の愛の働きです。

「近づいた」を、どう理解したらいいでしょうか。
ギリシア語では「近づいて来ている、もうすぐだ」、ヘブライ語では「神の支配はもう始まった。
わたしがこの暗闇に立ったときから、始まって進行中だ。」というニュアンスです。
「神の国はあなたがたに近づいた」(ルカ10:9)、
「神の国はあなたたちのところに来ている」(ルカ11:20)、
「神の国はあなたがたの間にある」(ルカ17:21)
ルカ福音書は、微妙に言い方を変えながら、「神の国(天の国)は近づいた」を説明しています。



「悔い改め」は、ギリシア語ではメタノイア、「(神の方に)向きを変える」、ヘブライ語ではシューヴ、「神に立ち帰る」という意味の言葉です。

ここでは、「悔い改めよ」よりも、むしろ「天の国は近づいた」に重点があります。
天の国(神の救いの業)は、すでに始まっている。
あなたがたの間にある。
だから、神に立ち帰りなさい。十字架の主を仰いで、歩みなさい。そんな招きの言葉なのです。
(2018年2月4日)




ホームページに戻る

PR

Copyright © 門司大里教会メッセージ : All rights reserved

「門司大里教会メッセージ」に掲載されている文章・画像・その他すべての無断転載・無断掲載を禁止します。

TemplateDesign by KARMA7
忍者ブログ [PR]